yoshida@shiofune

知多半島と塩

塩に関するページは、4月の一次完成を目指し制作中です。
現在は整理前の原稿やメモ書きが置いてあります。
noteに移動するかもしれません。

知多半島と塩の歩み

知多半島の古代から始まった製塩土器から、現代の塩づくりまでの歩みを掲載予定です。

簡単に塩を買うことができる暮らしをしていると、昔のことがわからなくなります。
埋め立てられる前の伊勢湾や三河湾の海は今よりも広く、モノの流通は水運が担っていました。
また、海水から塩を得る、それが日本の伝統的な塩づくりのかたちでした。

「自東京海灣至和泉海-日本・本洲南岸」1897年

世界的に見ると、岩塩や塩湖があったり勝手に塩ができる浜があることも多いそうです。
しかし、日本は高温多湿なため、歴史的には塩を得るのが難しい風土で、様々な工夫をこらしながら、塩を手に入れるようになりました。現在、工業用などに使う塩が大量に必要なこともあり、多くの塩を海外からの輸入に頼っています。

知多半島における塩との

  1. 平成(美浜の塩)
  2. 古代(製塩土器)
  3. 中世(塩田)
  4. 江戸から明治(瀬戸内十州と塩廻船、いくつかの塩田) – 昭和(終了)

塩ってなんだろう?

海水に含まれる塩分量、何%かわかりますか?

おおよそ3%程度くらいです。1リットルの海水を煮詰めると、30gちょっとくらいの海塩を得ることができます。この中にはにがりや海水に含まれていた色々な成分が残っています。

塩の味を決める海水の成分

昔ながらの製法で作られた海塩には、塩味(えんみ)、苦味、酸味など、実は成分によってさまざまな味が含まれているそうです。
海塩のうまみは、コクを感じたり、苦みや酸味とのバランスによって感じられ、食材との相性も生まれてきます。

■ナトリウム →しょっぱい塩味
 塩の成分表で100g中ナトリウム40gといった表示されている場合、およそ2.5倍すると塩の量
 40g×2.5=90gは塩化ナトリウム(=食塩)

■マグネシウム→苦味。苦い土と書いてくど。苦土石灰や“にがり”の成分

■カルシウム →苦味と塩味が合わさった複雑な味
       最新の研究:「うまみ」に続く第6の味覚として「カルシウム味」がある!?

■カリウム  → 酸味

■その他の微細な量のミネラル成分など

味の決まり方・選び方

お塩の味は、主にしょっぱさ担当の塩化ナトリウムと、その他のミネラル+入っている物質のバランスと、粒の大きさと結晶の“かたち”の関係性で決まってきます。
そして、各成分のもつ味わいと、塩の結晶が舌にどのようにあたってどれくらいの時間で溶けるかが重要です。

海塩の味を決める要因

いつ、どこで採水するか(時期・採水地)

同じ場所でも満月や満潮時と新月・干潮時には味が違うのだそうです。
暖流や寒流、季節による海水の流れ。
そこに流れ込む川や湧水の影響。鉄分の多い山の麓ではやはり鉄っぽい風味の塩になったり…

どうやって鹹水(かん水)にするか

塩分濃度が18%くらいになるまで水分量を減らすことが塩づくりのポイント。
古代は海藻に繰り返し海水をかけて乾燥を繰り返し濃度を高めるやり方が主流でした。
そこから海岸の砂自体を使うやり方、「塩浜」や「塩田」の時代へと進みます。
人力で海水をくみ上げて海岸に散布することが重労働で、干満差の大きい恵まれた地域の塩田では、潮の満ち引き自体を利用するようになります。
時代が下って、昭和になると、「流下式枝条架塩田」という竹の枝などにポンプを使ってくみ上げた海水を掛け流し、風と太陽の力で乾燥させ、塩分濃度を上げていく方法になっていきます。

その後、塩化ナトリウム以外を通さない特殊なフィルムを使った、イオン交換膜をつかった電気的に抽出する方法で、大量に塩化ナトリウムだけを取り出す方式が誕生します。

どう乾燥されるか。
にがりとの分離、結晶化させたり成形したり砕いたり

結晶化のさせかたや煮詰めるかどうか、煮詰める速度や方法でも結晶のでき方や粒の大きさ、形状が変わってきます。
また、湿気を含むかどうかも、にがりの成分の影響で決まってきます。塩化マグネシウムや塩化カルシウムは吸湿剤としても使われ(押入れの中に入れる容器の中身です)、湿気を吸うと液体になります。炒ることでサラサラの塩になるのは、380℃以上で酸化マグネシウムに変わるからです。焼き塩にすることで保存性が上がり扱いやすくなる反面、おいしい苦みが失われ、コクがなくなったように感じられるようです。

こうしたことが影響して、私たちが口に入れた時に感じるお塩の味や印象が変わってきます。

記事URLをコピーしました